はじめに
今回は平成25年春期問67の回答、解説です。平成25年春期問67はプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)に関する記述についての問題です。本問を通してプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)について学んでいきましょう。
問題を解くためのキーワード
- プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)
- 花形
- 金のなる木
- 問題児
- 負け犬
問題のカテゴリ
今回の問題カテゴリは以下の通りです。
分野 | 大分類 | 中分類 |
ストラテジ系 | 経営戦略 | 経営戦略マネジメント |
問題
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)を説明したものはどれか
- ア:自社の強みと弱み,市場における機会と脅威を,分類ごとに列挙して,事業戦略における企業の環境分析を行う。
- イ:製品と市場の視点から,事業拡大の方向性を市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化に分けて,戦略を検討する。
- ウ:製品の市場占有率と市場成長率から,企業がそれぞれの事業に対する経営資源の最適配分を意思決定する。
- エ:製品の導入期・成長期・成熟期・衰退期の各段階に応じて,製品の改良,新品種の追加,製品廃棄などを計画する。
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正解:ウ
解説
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)とは
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)とは、自社の製品やサービスを分析して、どの製品やサービスにどのくらいの資源を配分すれば最適であるかを測る手法です。この手法はグラフで示すもので、縦軸を市場成長率、横軸に市場占有率をとり、自社の製品やサービスを「花形」、「金のなる木」、「問題児」、「負け犬」という4つに分類して、資源配布の検討に利用します。
- 花形:現時点においては成長率、占有率ともに高く売上が多いが、成長率、占有率ともに維持するためには多額のコスト、投資がが必要な分野
- 金のなる木:市場の成長率は高くないため、投資をしなくても済む。また、占有率の高さから安定した売上を獲得することができる分野
- 問題児:市場成長率が高いため、占有率を高め花形分野までもっていくには多額のコスト、投資が必要。また、投資が上手くいかなかった、かつ市場成長率も下がった場合、金のなる木にもなれず、負け犬になってしまうため、慎重な経営判断が必要となる分野
- 負け犬:市場成長率が低いため、多額の投資をして占有率を高くしても、投資分の回収ができる見込みが低く、事業の中止を検討する分野
では、本問におけるそれぞれの選択肢を見ていきましょう。
- ア:企自社の強みと弱み,市場における機会と脅威を,分類ごとに列挙して,事業戦略における企業の環境分析を行う。
SWOT分析の説明です。「企業の強み、弱みを分析」がキーワードです。
- イ:製品と市場の視点から,事業拡大の方向性を市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化に分けて,戦略を検討する。
アンゾフの成長マトリクスの説明です。「市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化」ときたらアンゾフの成長マトリクスのことを説明していると思い出せるようにしておきましょう。
- ウ:製品の市場占有率と市場成長率から,企業がそれぞれの事業に対する経営資源の最適配分を意思決定する。
正解です。プロダクトポートフォリオ(PPM)の説明です。
- エ:製品の導入期・成長期・成熟期・衰退期の各段階に応じて,製品の改良,新品種の追加,製品廃棄などを計画する。
プロダクトライフサイクルの説明です。
おわりに
今回は平成25年春期問67の説明をしました。