はじめに
今回はECにおいての取引の形態、種類について詳しく解説をしていきます。
この記事はこんな方にオススメ!
- IT系の分野で活躍したいので、IT用語・知識を習得したい
- 基本情報技術者、応用情報技術者試験などの資格を取りたい
- 今更聞けないECビジネスモデルの基礎について知りたい
ECとは
ECとはElectronic Commerceの略で、正式名称を電子商取引といいます。ECだったり、eコマースだったり、呼び方は色々。インターネットがあまり普及していなかった頃、取引においての発注書、納品書、検収票などは紙でやりとりをし、取引が完了するまでに時間を要していました。インターネットが普及してからは、取引において煩雑だったやり取りは全て、電子的に処理されるようになりました。この電子的な処理で行われる取引のことをECといいます。
ここでいう「取引」とは企業同士が取引するものもあれば、企業と個人が取引するものなど、その形態は様々です。
取引の形態について
電子商取引の形態として、これから説明する「 B to B」や「 B to C」等、「◯ to ○」は何を表しているか。「B」や「C」とは何を表しているか、前提知識のとしておさえておきましょう。ちなみに「◯ to ○」は「○ 2 ○」とも記載したりします。
Point1.「◯ to ○」は「サービス提供側」 to 「サービス利用側」である
Point2.「 B」や「C」は誰かを表すイニシャルである
表すイニシャルについては、下の表のとおりです。
イニシャル | 表す言葉(英語) | 表す言葉(日本語) |
B | Business | 企業 |
C | Consumer | 消費者、個人 |
E | Employee | 従業員 |
D | Direct | 直接 ※小売店等をはさまず直接 |
取引の形態とあわせ、それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。
B to B(B2B)
企業間での取引を表します。インターネットを介し、それぞれの企業の標準規約に基づき取引するやり方をEDI(Electronic Data Interchange)といいます。それぞれのメリットデメリットは以下のとおり。
メリット | デメリット |
・取引が長期的であるため、経済的に安定しやすい ・市場規模が大きい ・客単価が高い | ・企業間でのやりとり上、色々なプロセスが存在し契約を結ぶまでが長い ・専門的なサービス供給が多いため、サービス利用側が限定される ・客単価が高い分、責任が大きい |
B to C(B2C)
企業と消費者、個人との取引を表します。メリットデメリットは以下のとおり。
メリット | デメリット |
・客単価が安い分、代金回収などのリスクが少ない ・契約を結ぶまでの期間が短い ・対個人での取引でレビュー等、サービスに対しての意見を集めやすい | ・得意先ができにくいため、経済的に安定しない ・他の BtoC企業と同じ商品を売るということになった場合、マーケティング能力が企業の売上を左右する ・他のBtoC企業との競争が激しい |
B to E(B2E)
企業と社員との取引を表します。メリットデメリットは以下のとおり。
メリット | デメリット |
・労力をかけずに新規開拓ができる ・自社でのサービスであるため、賃料等がかからない | ・昨今ではリモートワークの普及などにより、サービス自体の利用頻度が下がる |
C to C(C2C)
個人間での取引を表します。メリットデメリットは以下のとおり。
メリット | デメリット |
・個人間でのやりとりであるため、消費税がかからない ・仲介業者がいないため、欲しいものが早く手に入る ・取引毎に商品が用意できていればよいため、在庫を抱える必要がない | ・信頼性が低いと買手が少なくなり、経済的に安定しない ・個人間でのやりとりのため、トラブルが発生しやすい |
D to C(D2C)
企業から個人への直接的な取引を表します。B to Cは卸売業者や小売店等をはさみ販売するのに対し、D to Cは仲介業者をはさまず、個人と直接やり取りするところに大きな違いがあります。昨今、注目を浴びている取引形態です。メリットデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・顧客情報を収集しやすい ・卸売業者や小売店をはさまないため、コストが抑えられる ・個人と直接やり取りができるため、情報発信がしやすい | ・メインはオンラインでのやり取りのため、買手は商品を手に取り確認するのが難しい ・商品を認知してもらうための情報発信など集客コストがかかる ・商品を認知してもらうために時間がかかるため、新規開拓しにくい |
取引形態それぞれの代表企業例
取引形態 | 代表的な企業 |
B to B | デンソー、AISIN、京セラ、旭化成 |
B to C | キリンビール、資生堂、トヨタ自動車、パナソニック |
B to E | – |
C to C | メルカリ、チケット流通センター、ラクマ |
D to C | バルクオム、ボタニスト |
おわりに
今回はECにおける取引の形態について説明しました。他の記事で様々なIT用語を説明しているので、他の記事もチェックしてください!